2015/10/29

ドイツ銀行、ストラテジー2020の詳細を発表

目標値

コスト削減:

  • 調整済コスト: 2018年までに220億ユーロ未満に抑制
  • 費用削減の総額: 2018年までに38億ユーロ(これには事業再編と退職に関連する30~35億ユーロの費用を伴い、その3分の2は2016年までに支出される見込み)
  • 費用収益比率: 2018年に約70%、2020年に約65%
  • 10カ国から完全撤退

自己資本強化:

  • 2018年までに、レバレッジ・エクスポージャーを約1,700億ユーロ、リスク・ウェイテッド・アセットを約900億ユーロ(規制上の増加分を除く)、それぞれ削減
  • 2015年度および2016年度の普通株式の配当支払いを停止
  • 普通株式等Tier 1資本比率: 2018年末以降、最低でも12.5%
  • レバレッジ比率: 2018年末時点で最低4.5%、2020年末時点で最低5%

株主還元:

  • 有形株主資本利益率(税引後): 2018年までに10%超

* 事業再編および退職関連費用、訴訟費用、のれんおよび無形資産の減損、保険加入者からの保険金請求を除く、利息以外の費用の合計


ドイツ銀行(XETRA: DBKGn.DE / NYSE: DB )は本日、戦略計画「ストラテジー2020」の実施について、当行の戦略的目標、ビジネス部門・管理部門・各地域における経営上の施策、2018年および2020年の業績目標に関する情報を含む詳細を発表しました。

共同CEOのジョン・クライアンは本件について、「当行は今年4月にストラテジー2020を発表しました。7月に取締役会に加わって以来、私は他のメンバーらと共に、当行を安定させ、長期的な業績を立て直すための計画の策定に取り組んできました。あとは、より良いドイツ銀行を築くためにこの計画を実行に移すだけです」と述べました。

続けて、「当行の戦略的目標は次の4つです。第1に、現在成功している市場、商品、顧客に対象を絞り、よりシンプルで効率的になることで、顧客満足度の向上とコスト削減につなげること。第2に、古く統一性に欠けた情報技術(IT)の刷新と、リスクの高い顧客関係や地域からの撤退により、リスクを低減すること。第3に、規制や市場の期待に後れを取ることのないよう自己資本を強化すること。そして最後は、権限の委譲、個人の責任、優れた業績や行動に沿った報酬体系に基づくより確固とした規律と目的をもってドイツ銀行を運営していくことです」と述べています。

そして次のように結びました。「残念ですが、これにより当行の一部の支店や海外拠点を閉鎖し、フロントオフィスおよび管理部門の従業員を削減することにもなります。これは決して簡単な仕事ではなく、安易に実行することはありません。このプロセスについては、十分な配慮をもって、当行の従業員の代表者たちと協力して進めていくことを約束します」

また、共同CEOのユルゲン・フィッチェンは、「ドイツ銀行の世界的ネットワークは、顧客に対する実績を最も明確に示すものといえます。しかしながら、このようなネットワークは決して固定化されたものではありませんでした。当行は長期にわたり、これをその時々の状況に適合させ、時に事業展開する国を増やし、また時には集約を図ってきました。いずれの状況においても堅持されてきた一つの特徴があります。それは、ドイツのグローバルバンクとして世界中のお客さまにサービスを提供する、というコミットメントです」と述べています。


戦略的目標

よりシンプルで効率的なドイツ銀行へ
ドイツ銀行は、複雑さを排しコストを削減するための一連の施策を発表しました。ストラテジー2020を実施する上での当行の目標は次の通りです。

  • 10カ国(アルゼンチン、チリ、メキシコ、ペルー、ウルグアイ、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、マルタ、ニュージーランド)の拠点を閉鎖。ブラジルでのトレーディング業務をグローバルあるいは地域の拠点に移管。「グローバル・マーケッツ」と「コーポレート&インベストメント・バンキング(CIB)」という新たな組織構成の一環として、グローバルあるいは地域の拠点へのブッキングの集約化を進める
  • 約9,000人(常勤相当)の従業員および、グローバル・テクノロジー&オペレーションにおける約6,000人の外部契約者の削減
  • グローバル・マーケッツおよびCIBにおける顧客数を約50%削減。これらのビジネス部門においては、約30%の顧客が収益の80%を占めることから、特にオペレーティング・リスクの高い国を中心に削減
  • 古く統一性に欠けた情報技術(IT)の刷新(オペレーティングシステムの削減と、耐用年数を経たハードウエアおよびソフトウエアの更新を含む)
  • 約90の法人の廃止

影響: 経費削減策により総額約38億ユーロのコスト削減を生むことが想定されていますが、これには約30~35億ユーロの事業再編および退職関連費用を伴います。さらに、当行は今後2年間で、コストベースの総額が約40億ユーロ、常勤相当で2万人の従業員が従事する資産の処分を計画しています。インフレ、規制関連支出の増加、ソフトウエアの償却、事業成長への投資を考慮に入れた2018年の調整済コスト*を220億ユーロ未満とすることを目標としています。

リスクプロファイルの低減
当行は、リスクプロファイルを引き下げるための一連の施策を発表しました。ストラテジー2020を実施する上での当行の目標は次の通りです。

  • 顧客確認(KYC)およびマネーロンダリング対策への優先的な投資
  • リスクの大きな顧客や地域との取引停止を視野に、特定の顧客および国に関するリスクを精査

自己資本の拡充
当行は、株主からの資本調達を行わずに、自律的な方法で自己資本を大幅に強化するための一連の施策を発表しました。当行の目標は次の通りです。

  • リスク・ウェイテッド・アセット(RWA): 2018年までに約900億ユーロ削減し、3,200億ユーロ(規制要件の変更による増加分を考慮しない)。規制に関連したRWAの増加(2020年までに約1,000億ユーロの増加が想定される)により相殺される見込み
  • CRD4レバレッジ・エクスポージャー: 2018年までに純額で約1,700億ユーロ削減
  • 自己資本の保全: 2015年度および2016年度の配当支払いを停止。2017年度からは競争力のある配当性向を目指す
  • 2016年末までに非中核事業部門(NCOU)を大幅に縮小

影響: 普通株式等Tier 1(CET1)資本比率を2018年末までに12.5%に引き上げ(2015年第3四半期末時点は11.5%)、3.6%のレバレッジ比率を2018年末までに最低でも4.5%、2020年末までに最低でも5.0%まで引き上げます。また、リスク・ウェイテッド・アセットを2020年までに3,100億ユーロ(2020年までに1,000億ユーロと想定される規制関連の増加分を除く)まで削減することを目指しています。非中核事業部門(NCOU)の縮小については、CET1資本比率の向上と、収益に対する10~20億ユーロのマイナスの影響を想定しています。

規律と説明責任の強化
ストラテジー2020の一環として、当行は複雑化を招く組織の階層を削減し、個人の責任の水準を高め、各種委員会への依存度を低下させることを目指します。ストラテジー2020の一環として、当行は次の方針を発表しました。

  • すべてのビジネス部門を直接代表する、単一でかつ全責任を担うマネジメント・チームの設置
  • グループ経営執行委員会(GEC)の廃止
  • 取締役会の委員会を従来の16から6に削減
  • 業績と行動に、より密接に対応する報酬体系を再設計

ドイツ銀行の中核事業部門におけるストラテジー2020

当行は、個別の事業部門における一連の経営施策についても発表しました。本日発表した個別の施策は以下の通りです。

グローバル・マーケッツ
当行はより焦点を絞ったフィクスト・インカム&カレンシーの事業基盤を持つ、強力なグローバル・マーケッツ事業部門を確立するための一連の施策を発表しました。ストラテジー2020を実行する一環として、当行は以下の施策を実施します。

  • 特定のプロダクトからの退出: 未清算のクレジット・デフォルト・スワップのマーケット・メイク、特定のレガシー金利商品、エージェンシー住宅ローン証券化商品トレーディング、高リスク・ウェイト証券化トレーディング
  • 金利、証券化、エマージング・マーケット・デットのトレーディング拠点の集約化
  • クレジット・ソリューション、クライアント・レンディング、およびプライム・ブローカレッジなど、よりバランスシート集約型でない事業への選択的な再投資
  • 取引顧客数の大幅な削減
  • インフラおよびテクノロジー関連の合理化による費用の削減

影響: 従前のコーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズ部門(CB&S)、主にはグローバル・マーケッツの経営資源を再配分することにより、当行は約700億ユーロのCRD4レバレッジ、また約280億ユーロのリスク・ウェイテッド・アセットの純減を見込んでいます。

コーポレート・アンド・インベストメント・バンキング(CIB)
当行はコマーシャル・バンキング、コーポレート・ファイナンス、およびトランザクション・バンキングを共通のリーダーシップの下に統合することで、引き続きCIBにおいて利益を重視しつつ成長を図るための一連の施策を発表しました。ストラテジー2020を実行する一環として、当行は以下の施策を実施します。

  • 重要度の高い顧客との関係深化。単一の商品のみの取引関係から移行し複数商品のクロス・セルを拡大
  • 引き続きトランザクション・バンキングを拡大。特にドイツとアジア太平洋地域を重視
  • アドバイザリーおよび株式資本市場における市場シェアの拡大
  • CIBの拠点所在国の削減と合理化
  • 効率性を高めるため、すべてのCIB顧客を考慮しつつ資本配分判断を実施

プライベート・ウェルス&コマーシャル・クライアンツ
当行は顧客中心主義を高め、かつ費用シナジーを発揮するために、個人顧客および中堅企業部門とウェルス・マネジメントにおける協力関係を活用する一連の施策を発表しました。ストラテジー2020を実行する一環として、当行は以下の施策を実施します。

  • 個人顧客、ウェルス・マネジメント顧客、および中小企業顧客に対して一貫した顧客対応を実現することで、ドイツにおいて「ワン・バンク」を確立
  • プライベート・バンキングおよびウェルス・マネジメントにおいて、積極的な顧客紹介やクロス・セルを行うことを通じ、欧州でのプレゼンスを強化
  • アジアおよび米州地域において、富裕層および超富裕層事業の成長を継続
  • ドイツおよびその他の国においても、魅力的かつ成長著しい起業家層への総合的なアプローチを採用
  • デジタル分野への投資、業務および諸経費、バックオフィス機能においてシナジー効果を実現
  • 200を超える支店の統合および閉鎖による大幅な費用削減

影響: これらの施策の結果、当行は2018年までに約6億ユーロの費用削減を図り、同部門の費用収益率を約10パーセントポイント引き下げることを目指します。これはドイツ国内における200を超える支店の閉鎖、提供する商品数の約3分の1の削減、また本社および業務の合理化によって達成します。当行はポストバンクの処分、中国の華夏銀行に当行が保有する19.99%の持ち分の売却などのポートフォリオ施策、および欧州地域における他の消費者金融関連のポートフォリオ施策によって、約1,400億ユーロのCRD4レバレッジ・エクスポージャーおよび約500億ユーロのリスク・ウェイテッド・アセットの削減を行う見通しです。

アセット・マネジメント
当行はグローバルに展開するフィデューシャリー・クライアント・フランチャイズの現在の強力な成長の勢いを更に強固にするために、一連の施策を発表しました。ストラテジー2020を実行する一環として、当行は以下の施策を実施します。

  • 退職およびストラテジック・ベータ商品群において革新的な商品の開発および提供
  • オルタナティブおよびマルチ・アセット投資の能力の更なる向上
  • 年金などの重要分野における顧客ソリューション能力強化への更なる投資
  • サステナビリティ&インパクト投資を主要な資産クラスとして開発
  • 営業からバックオフィスまで投資プロセスの完全自動化

上方修正および前倒しされた財務目標

実行のための計画プロセスの一環として、ストラテジー2020で当初示された財務目標は上方修正かつ前倒しされ、多くの目標達成の期限が2018年とされました。財務目標は以下の通りです。

  • 普通株式等Tier 1資本比率: 2018年末以降より最低でも12.5%
  • レバレッジ比率: 2018年末時点において最低でも4.5%、2020年末時点において最低でも5.0%
  • 有形株主資本利益率: 2018年までに10%超
  • 調整済コスト: 2018年までに220億ユーロ未満に抑える
  • 費用収益比率: 2018年に約70%、2020年に約65%
  • 規制変更による増加分を除くリスク・ウェイテッド・アセット: 2018年末時点において約3,200億ユーロ、2020年末時点において約3,100億ユーロ

* 事業再編および退職関連費用、訴訟費用、のれんおよび無形資産の減損、保険加入者からの保険金請求を除く、利息以外の費用の合計)

 





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最終更新日: 2015年11月2日
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