2019/07/07

ドイツ銀行、抜本的な改革を発表

新戦略では、当行は強みを持つ中核事業に集中することにより持続可能な収益性向上を目指す


ドイツ銀行(銘柄コードXETRA:DBKGn.DB / NYSE:DB)は、収益性を高め、株主還元を改善し、長期的な成長を実現するため、事業モデルを抜本的に改革します。改革実施のため、当行は投資銀行業務を大幅に縮小し、2022年までに全体のコストを4分の1削減することを目指します。

新戦略の要点は以下の通りです。

  • グローバル・トランザクション・バンクおよびドイツ商業銀行事業で構成される第4の事業部門として、コーポレート・バンクを設けます。
  • 株式セールス/トレーディング事業から撤退し、債券セールス/トレーディング事業(特に金利(Rates)関連事業)で使われる資本を引き下げます。
  • 2022年以降、50億ユーロの資本を株主に還元するため、当初計画で約2,880億ユーロのレバレッジ・エクスポージャー(当行のレバレッジ・エクスポージャーの約20%)および740億ユーロのリスク・ウェイテッド・アセット(RWA)を新設するキャピタル・リリース・ユニット(CRU)に移管し、それら資産を削減または処分いたします。
  • 普通株式等Tier 1(CET1)資本比率を12.5%以上に維持しつつ、既存の資本をもって改革を行い、追加の資本調達を要することなく、事業再編を遂行する予定です。
  • 上記の結果、当行のレバレッジ比率は2020年に4.5%、2022年以降は約5%まで引き上げられる見込みです。
  • 2022年までに調整済コスト(2)を約60億ユーロ(現在のコストベースの4分の1に相当)削減し、170億ユーロとします。
  • 2022年までに有形株主資本利益率を8%とすることを目指します。
  • 効率性の促進ならびに商品およびサービスの更なる向上のため、2022年までに130億ユーロの技術投資を行います。


当行CEOのクリスティアン・ゼーヴィングは、次のように述べています。

「本日、当行は、この数十年間で最も抜本的な改革を発表しました。当行の真の潜在能力を発揮するために、事業モデル、コスト、資本、経営陣の体制を見直し、その強みを活かしていきます。これはドイツ銀行にとって、その顧客、従業員、投資家そして社会の長期的な利益に向けた再出発を意味します。」

「顧客重視の姿勢を堅持しながら必要な見直しを行い、当行を世界有数の銀行に押し上げた原点に立ち返ります。当行は今後もグローバル・ネットワークを持つ銀行であり続ける事にコミットし、ドイツ、欧州そして世界各国で、企業の成長を助け、個人顧客および法人顧客に対し最適なソリューションや顧客それぞれのニーズに応じた助言を提供していきます。当行は、長期にわたり持続可能な株主還元を実現し、ドイツ銀行のレピュテーションを回復させる決意です。 」


ドイツ銀行監査役会会長のパウル・アッハライトナーは、次のように述べています。

「この抜本的改革は、金融業界に生じた大きな変化や困難に対する適切な対応策です。当行は過去約10年間、困難な時期を経験してきましたが、この新たな戦略を策定した現在、自信と希望をもって将来に臨めるものと確信しています。本日お約束した改革を徹底的に実施し、持続可能な収益力のある銀行となるため、有能な専任のチームが指揮を執ります。長年にわたる当行の事業再編は、当行の株主によって支えられてきました。したがって、実質的な株主還元を今後行っていくことは、当行の新戦略において重要な部分を占めます。」


重要事業の見直し

改革には、当行およびポストバンクの法人および商業顧客の主要な取引拠点となるコーポレート・バンク部門の設立が含まれます。新たな部門の中核となるのは、ドイツ国内外の多くの法人に対して重要なサービスを提供する、グローバル・トランザクション・バンクです。標準的に1日約1兆ユーロ相当が当行のシステムを通じて送金されています。さらに、ドイツのプライベート・アンド・コマーシャル・バンクにおける約100万の商業顧客および法人顧客が、新設のコーポレート・バンクの顧客の一部となります。コーポレート・バンクの有形株主資本利益率(RoTE)は、2018年の9%から2022年には15%超に上昇する見込みです(1)

当行のインベストメント・バンクは、ファイナンシング、アドバイザリー、債券および外国為替といった伝統的に強みとしている分野に重点を置きます。これにより、法人において特にニーズのある分野(クレジット商品および外国為替商品を含みます。)における取引増加が期待されます。当行は、法人顧客に対してより焦点を絞った株式資本市場の事業を含む戦略的アドバイスの提供を続けていくことで、株式およびマクロ経済のリサーチ力、ならびにターゲットを絞った株式セールスの体制を維持します。

当行は、焦点を絞った株式資本市場の業務は維持しつつ、株式セールス/トレーディング事業から撤退します。これに関連して、当行は、プライム・ファイナンスおよび電子トレーディングの顧客に対するサービスを継続するため、当行のテクノロジーおよび従業員を今後移転していくことを視野に、BNPパリバとの間で予備的合意を締結しました。この合意は、様々な条件充足や当局による承認を条件とします。

また当行は既存の非戦略的ポートフォリオの削減を加速することで、債券業務、とりわけ金利関連事業の最適化を進めてまいります。当行は、現在債券業務に帰属しているリスク・ウェイテッド・アセットを 全体として約40%引き下げる予定です。

今後は、インベストメント・バンクの収益のほぼ75%について、当行が現在トップ5の地位を保有している事業分野から得られるようにすることを計画しています。インベストメント・バンクのRoTEは、2022年には6%超に上昇する見込みです(1)。

プライベート・バンクは、個人顧客および中小企業顧客を対象とします。この部門の目標は、ドイツにおけるマーケットリーダーとしての基盤を活用し、ヨーロッパに軸足を置いた個人顧客および中小企業顧客向け銀行業務を推進すること、ウェルス・マネジメントにおいては、グローバルでも高い競争力を持つウェルス・マネジャーとしての地位を確立させることです。この目標達成のため、当行はドイツ国内における当行とポストバンクの統合を加速し、プライベート・バンク全体のコストを2022年までに14億ユーロ削減することを目指す一方、今期通年においては2億ユーロのコスト削減を実施する予定です。

当行は、営業費用の削減を行う一方、デジタル化およびプラットフォームの開発に重点的に投資する予定です。ウェルス・マネジメントでは、当行は特にアジアの成長市場において新規の顧客アドバイザーに投資します。プライベート・バンクのRoTEは、2018年における5%から、2022年には12%超に上昇する見込みです(1)

DWSは、従前同様ドイツ銀行の戦略の柱とされ、引き続きグローバルでトップ10のアセット・マネージャーとなる目標を追求します。DWSはそのRoTEを、2018年の18%から2022年には20%超にさらに上昇させる見込みです。

当行の抜本的改革において、より変動の少ない業績の向上が見込まれます。中核的業務による収益は、2018年における228億ユーロから、現実的な成長を前提とすると、2022年には約250億ユーロとなることが見込まれます(1)


バランスシートの削減と自己資本の維持

リターンの低い資産や新戦略に適合しなくなった資産は、削減のためキャピタル・リリース・ユニット(CRU)に移管されます。2018年12月現在のバランスシート・ポジションに基づき、約740億ユーロのリスク・ウェイテッド・アセット(RWA)がCRUに移管されます。当行は、2021年までに、CRUの約380億ユーロの市場リスクRWAおよび信用リスクRWAを100億ユーロ未満まで縮小することを目指しています。当行は、規制当局と協議して、CRUにおける360億ユーロのオペレーショナル・リスクRWAを今後縮小していきます(1)

2018年12月現在で2,880億ユーロのCRUにおけるレバレッジ・エクスポージャーは、2022年までにその大部分が解消される計画です。当行は現在、レバレッジ比率(完全適用ベース)を2020年に4.5%、2022年以降は約5%まで引き上げることを目指しています(1)

当行は、普通株式等Tier 1(CET1)資本比率を12.5%以上とする目標を新たに設定するにあたり、よりバランスがとれ安定した銀行となるべく、大きく変更したビジネスモデルと過去数年の管理体制の改善を考慮に入れました。ドイツ規制当局は、当行の方向性や改革、複数年にわたる改革プロセスの一環として定める目標を支持しており、この計画についても当局との間で詳細に協議を行ってきました。当行は、この数年間一貫して行ってきたように、世界各国の監督機関と緊密に連携していきます。


株主のための資本の解放

当行は、現在の資本基盤に照らして、また高品質かつ低リスクの資産の性質に対する信頼を反映して、既存の資本の範囲内で改革を行うことを目指しています。その結果、2019年度および2020年度は、普通株式の配当の支払いは行わない予定です。その他Tier 1証券に係る支払いについては、改革の期間中も十分な支払能力を維持できるものと考えています。

今回公表された施策により、長期的には50億ユーロの資本を解放し、2022年から自社株買戻しや配当によって株主に還元していくことを想定しています。


改革の実施コスト

当行は、改革の実施に向けて、2022年までに減損費用、事業再編費用および退職金費用を含む一回限りの費用として74億ユーロを計上する見込みです。2019年度については、影響額は合計約51億ユーロと見込まれ、そのうち約30億ユーロは第2四半期に計上される予定です。

上記の事業再編関連の費用を含め、当行は2019年第2四半期に、約5億ユーロの 税引前損失および28億ユーロの純損失を計上する見込みです。これらの費用を除くと、2019年第2四半期の業績は、約4億ユーロの税引前利益および1億2,000万ユーロの純利益となる予定です。これらの業績は、62億ユーロの収益、56億ユーロの利息以外の費用および53億5,000万ユーロの 調整済コスト(2)を反映しています。


更なるコスト削減および収益性向上

事業再編に向けた施策には、2022年までに常勤相当の従業員を約18,000人削減して約74,000人とする人員削減が含まれます。当行は、調整済コストを合計で約60億ユーロ削減して、2022年には170億ユーロにすることを目指しています。

この改革計画によって、当行は、費用収益比率を2022年に70%まで引き下げることを目標としており、また2022年までにグループレベルの税引後有形株主資本利益率を8%とすることを目指しています。


革新を支え管理体制を向上させる効率的なインフラ

当行は、管理体制向上のため、2022年までに40億ユーロを追加で投資します。当行のリスク、コンプライアンスおよび金融犯罪対策の各部門を統合し、管理プロセスと管理体制を強化するとともに、効率性を向上させます。

長期的に競争力のある地位を再構築かつ強化するため、当行は、すべての事業部門をサポートするバック・オフィスのシステムおよびプロセスを含む管理部門の再編を実施します。管理部門は、より無駄の省かれた革新的な部門となり、デジタル化が進められます。

新たにテクノロジー部門が設立され、当行のIT基盤を最適化する責任を担います。同部門はまた、すべての事業についてもデジタル化を進めます。これによって革新を後押しするとともに、内部統制環境を一層向上させる予定です。当行は、130億ユーロの予算を利用して、2022年までに技術革新に的を絞った投資を行います。


注記
(1) 部門に関する数値は、再編による試算ベースの数値であり、暫定的かつ未監査で、変更される可能性があります。

(2) 調整済コストは、のれんおよびその他の無形資産の減損、訴訟費用、事業再編および退職関連費用を除いた利息以外の費用と定義されます。





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最終更新日: 2019年7月11日
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