2011/01/10

ドイツ銀行グループ、2011年の中国投資戦略と経済見通しを公表

~第9回DBアクセス・チャイナ・コンファレンス開催~

ドイツ銀行グループは、2011年1月10日~13日の日程で北京で開催されている第9回DBアクセス・チャイナ年次コンファレンスで、2011年の中国投資戦略と中国の経済見通しを明らかにしました。同コンファレンスは、中国における投資家向けコンファレンスとしては最大級であり、世界有数の資産運用会社やヘッジファンド、年金基金、銀行などから、1,100名を超える出席者が見込まれています。

ドイツ銀行グループの中国担当エコノミストであり、アジアマネー誌から2010年最優秀地域エコノミストに選ばれた馬駿(Jun Ma)が、同コンファレンスの基調講演を行いました。その中で馬駿は、中国の国内総生産(GDP)成長率は、輸出の減速を受け今後緩やかに低下し、2011年のGDP成長率は年率8.7%となるとの見通しを述べました。

馬駿は「2011年の市場動向を左右する最大のマクロ要因は、インフレ率の推移にあります」と強調し、2011年前半のインフレ傾向から、後半にはディスインフレ傾向へと変わると述べました。また、「インフレ率は、2011年第2四半期に対前年比で5~6%に上昇した後、後半にかけて3~4%にまで低下すると予測しています」と述べ、金融引き締め政策や2011年初の積極的なインフレ防止策が失敗に終わった場合は、こうした見通しが大きく変わる可能性があると指摘しました。

金融政策については、ドイツ銀行グループでは、政策金利が今後3度にわたり合計75ベーシス・ポイント引き上げられ、人民元は4~5%上昇すると予想しています。

一方、株式投資戦略について、馬駿は、MSCI中国指数は2011年に平均15%程度の上昇が期待できるとしています。その前提として、1株当たり利益(EPS)が年15%成長すること、年末時点でバリュエーションが変化しないことを挙げています。

馬駿はさらに、2011年に投資家が注目すべきテーマとして以下の6つの項目を挙げました。


  • 金融改革:銀行セクターが今年直面する5つの課題(融資金額の伸びの減速、直接金融の拡大、金利の自由化、人民元の国際化、規制の強化)によって、銀行の純利鞘(NIM)が中期的に圧迫される。従って、NIMの圧迫に抵抗力があり、より持続可能なビジネスモデルを有する大手銀行の方が、中規模銀行よりも投資対象として魅力的である。

  • 公的住宅投資:公的住宅投資額が2011年に前年比倍増することが見込まれていることから、セメント価格は底堅く、中規模開発業者の株価に対し上値抑制要因となる。

  • 設備関連セクターの成長:中国製造業セクターの全般的な向上を背景として、設備・機械セクターの成長が、労働・原料集約型製造業セクターを上回る。

  • サービス産業への消費のシフト:「モノの消費からサービス消費へのシフト」が進むことから、強いブランド力を持つ不動産業や旅行業、ITサービス、企業向けソフトウェア、文化/娯楽分野において高い成長が見込まれる。

  • エネルギー消費の抑制と環境保護:政府によるエネルギー消費の抑制と環境保護の取り組みによって、スマート・グリッド(次世代電力網)設備や下水処理、リサイクル関連セクターなどに魅力的な投資機会が発生する可能性がある。

  • 中国内陸部の開発:内陸部における成長率が沿岸部を大きく上回り、その差は3%にまで拡大する可能性が存在する。従って、内陸部の不動産やセメント、金融機関、小売業が恩恵を受けるとみられる。






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最終更新日: 2011年6月13日
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