プレスリリース March 11, 2022

ドイツ銀行、2021年は引き続き改革を進め、2025年の明確な目標を設定したことを報告

年次報告:改革が2021年の好調な業績を牽引

  • 2011年以来最高の利益を達成、純利益は4倍に増加して25億ユーロ
  • 純収益は6%増加して254億ユーロ
  • 税引後RoTE1および費用収益比率が改善
  • 株主への約7億ユーロの資本分配案
  • 2021年の報酬は、コスト管理および業績に対する報酬を反映
    • 報酬の総額は、業務効率改善策により2%減少して99億ユーロ
    • 変動報酬は、大幅な業績改善を反映し14%増加して21億ユーロ

2025年に向けた戦略上および財務上の計画を更新

  • 当行の「グローバルなハウスバンク(主要取引銀行)」としての地位を強化し、より多くの顧客にとって最初の窓口となる
  • 改革を基盤とした2025年の明確な財務目標
    • 10%を上回る税引後RoTE1と62.5%を下回る費用収益比率
    • 2021年から2025年までの年平均収益成長率は3.5%~4.5%
  • 2021年から2025年までの資本分配は約80億ユーロ2

非財務報告:サステナビリティの目標を前倒しで実現し、設定目標を引き上げ

  • サステナブル関連のファイナンスおよび投資の取引高は、3倍に増加して1,570億ユーロ
  • 2,000億ユーロ以上とする目標の期限を2022年に前倒しするとともに、2023年から2025年の年間目標を1,000億ユーロに設定
  • 当行業務による温室効果ガス排出量は2019年以降63%減少
  • 4つのサステナビリティ格付機関による上方修正

人材や多様性への投資

  • 1,420人の新卒者および職業訓練生を採用、2020年から10%増加
  • 取締役会メンバーの20%、監査役会メンバーの30%を女性が占める
  • 2025年までに上級職における女性比率を35%以上とする目標を設定
  • 従業員調査によるコミットメント指数は、2012年以来の最高水準

CEOのクリスティアン・ゼーヴィングは、次のように述べています。「2021年は、ドイツ銀行にとって重要な年となりました。当行は、過去10年間で最高の利益を達成し、改革の実施においても大きな前進を遂げ、今は2022年の目標の実現に向けて取り組んでいます。従業員の多大な尽力により、当行は業績の改善を達成し、より持続可能な事業に向けて舵を切り、当行が事業を展開する世界各地の地域社会に貢献することができました。当行の戦略の進展とともに、改革の成功を基盤として、2025年に向けて持続可能な成長や株主還元の増加を実現することができます。」

ドイツ銀行(銘柄コードXETRA:DBKGn.DB/NYSE:DB)は、本日発表された年次報告書に含まれる2021年の業績(監査済)において、2021年に当行の改革における戦略上および財務上のすべてのマイルストーンが達成されたことを確認しました。2022年1月27日に年次メディア・コンファレンスで公表された当行の業績(未監査)との間に有意な違いはありませんでした。

年次報告書は、2021年12月31日より後の事象について、ロシアとウクライナに対する当行のエクスポージャーおよびロシアのウクライナ侵攻により生じる潜在的なリスクについて記載しています。3月9日、当行は、ロシアに対するエクスポージャーは非常に限定的であることを報告し、当該エクスポージャーを軽減する措置を定めました。追加の詳細は、当行のウェブサイト(https://investor-relations.db.com/RussiaExposure)より入手可能です。

改革は目標に沿って進められ、2011年以来最高の利益を達成

当行の2021年年次報告書では、2019年に立ち上げた当行の改革プログラムが目標に向けて進展していることを確認しています。改革の効果は、当行の2021年の業績に顕著に表れています。

  • 税引前利益は、前年の3倍超に増加して34億ユーロ、純利益は、前年の4倍に増加して25億ユーロ
  • 税引後有形株主資本利益率(RoTE)1は、0.2%から3.8%に増加、コア・バンクのRoTE1は、4.0%から6.4%に増加
  • 費用収益比率は、2019年の108%から85%に改善
  • 純収益は、前年から6%増加して254億ユーロ
  • 想定される改革に関連する影響の総額のうち97%が計上済み
  • 約7億ユーロの資本分配案
  • 普通株式等Tier 1(CET1)資本比率は、12.5%超とする当行のコミットメントに沿って13.2%

2025年に向けた明確な戦略上および財務上の計画

当行は、3月10日に開催された「Investor Deep Dive」において、改革プログラムの進展を基盤とした2025年に向けた戦略上および財務上の計画の概要を発表しました。当行は、より多くの顧客のすべての金融取引において最初の窓口になることで、「グローバルなハウスバンク」としての地位を強化することを目指しています。

当行は、4つの主要な中核事業を通じて部門を超えた協力体制をさらに強化し、事業戦略の推進により成長を牽引し、また効率性の向上により投資資金を自己調達することを目標としています。

この戦略が奏功した場合、必要な承認を得た上で、2021年から2025年における株主への約80億ユーロの資本分配案が実現可能になります。

当行は、2025年に向けた明確な財務目標を発表しました。

  • 10%超の税引後RoTE1
  • 2021年から2025年までの年平均収益成長率は3.5%~4.5%、2025年の純収益の目標は約300億ユーロ
  • 62.5%を下回る費用収益比率、コスト管理による営業レバレッジの向上を通じて自己調達資金による投資を実現

当行はまた、2025年に向けた資本計画の詳細を公表しました。その内容には、以下が含まれます。

  • 想定される最大分配可能額(Maximum Distributable Amount)の基準値である約11%を200ベーシスポイント上回ることとする最低基準に従い、CET1資本比率を約13%に維持
  • 事業成長と2025年1月1日から適用が想定されるバーゼル3の規制自己資本の変更の最初の要請の実施に向けた有形株主資本の確保

取締役会は、2025年以降、総株主還元率を株主に帰属する純利益の50%にまで高める意向を発表しました。

当行の2025年に向けた戦略および財務上の計画に関する詳細は、当行のウェブサイト(investor-relations.db.com/IDD2022)より入手可能です。

報酬:規律と2021年の業績に対する報酬

2021年に当行の従業員に付与された報酬の総額は、2020年の101億ユーロから2%減少し、99億ユーロとなりました。この減少は、退職費用や人材確保のための支出が前年より減少したこと、および人員削減や為替レートの影響を反映したものでした。

固定報酬は74億ユーロで、2020年の75億ユーロから若干減少しました。変動報酬は、主に当行の財務面での業績の改善により、14%増加し、21億ユーロとなりました。

通年で換算すると10人に相当するメンバーで構成される取締役会は、2021年に総額6,650万ユーロの報酬を受け取りました。2020年の5,000万ユーロから増加しましたが、これは目標に対する実績を反映したものです。この前年からの増加は、2020年には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを背景にして、当行グループの変動報酬が削減されたことや、報酬総額の12分の1に相当する追加削減を行うなど、取締役会の役員報酬が460万ユーロ削減されたことも反映したものでした。

非財務報告

またドイツ銀行は、本日、2021年の非財務報告書を発表し、経済をサステナブルでクライメイト・ニュートラル(気候中立)なものへ移行していく上で当行が果たす役割や、当行のガバナンスとオペレーション、テクノロジー、データおよびイノベーション(TDI)、ならびに人々に対するおよび企業の社会的責任(CSR)活動の概要を示しました。

ドイツ銀行のサステナビリティ転換点となった2021年

サステナブル・ファイナンス取引高の3倍増:2021年におけるサステナブル関連ファイナンスおよび投資の取引高(DWSを除く)は、2020年初めからの累積で、3倍を超える増加となり、2020年末の460億ユーロから増加して2021年末までに1,570億ユーロに達し、当行が2021年末に目標としていた1,000億ユーロを大幅に上回りました。

目標設定を引き上げ:急速な増加により、当行は取引高を2,000億ユーロ以上とする目標を加速させることが可能となりました。2021年5月に開催した「Sustainability Deep Dive」では、目標達成時期を2025年末から2023年末に前倒ししました。2022年1月に、2021年通年の取引高を発表後、この目標をさらに2022年末までに加速させました。当行は、3月10日に開催した「Investor Deep Dive」において、2023年から2025年の年間目標を1,000億ユーロ以上とする追加目標を発表しました。

2021年1月以降、サステナブルな取引高の目標の達成は、当行のトップレベルの管理職の報酬の枠組みに含まれています。

業界の諸施策の支持:当行は、気候変動に対処するため、金融業界全体およびその他の業界においてもパートナーと連携していく旨のコミットメントを示しました。当行は2021年に、ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)およびパートナーシップ・フォー・カーボン・アカウンティング・フィナンシャルズ(PCAF)に参加し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)のワーキンググループに貢献し、また、「海洋レジリエンス・フィランソロピー・ファンド」の提供を開始するためにオーシャン・リスク・アンド・レジリエンス・アクション・アライアンス(ORRAA)と協働しました。

当行は、NZBAの設立メンバーとして、貸出金ポートフォリオに帰属する温室効果ガスの排出量を、パリ協定に従って2050年までに実質的にゼロ(ネットゼロ)とする取組みに合致させること、および低炭素集約型(less carbon-intensive)のオペレーションに移行する顧客を資金的に支援することを誓約しています。これは、法域を問わず北極圏における新規の石油・ガスの掘削およびオイルサンド・プロジェクトへの資金供給を中止し、2025年までに燃料石炭採鉱事業への資金供給から撤退する旨の当行のコミットメントに基づいて進められます。

当行は、2022年3月4日に、企業向け貸出金の帳簿上で資金供給された温室効果ガスの排出量のデータを発表し、主要な産業セクターにおけるネットゼロ目標設定を更新しました。詳細は以下より入手可能です。
https://www.db.com/news/detail/20220304-deutsche-bank-provides-disclosure-on-financed-co2-emissions-and-updates-on-net-zero-target-setting?language_id=1

当行における炭素排出量の削減:当行は、2021年において、当行オペレーションによる環境への負荷をさらに削減しました。2019年以降の進展には以下が含まれます。

  • 当行業務による温室効果ガスの排出量を63%削減
  • エネルギーの総消費量を20%削減
  • 電力消費の91%を再生可能資源で賄う(75%から増加)
  • ゴミ全体の71%をリサイクル(61%から増加)

格付機関による格付の上方修正:当行の進展が、複数のESGの格付機関によって認められました。CDPは、当行の気候変動スコアをCからBに引き上げ、またS&PグローバルはS&PのグローバルCSA評価において当行のスコアを100点満点中、2020年の56点から60点に引き上げ、これににより当行は再びダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ヨーロッパ・インデックス(Dow Jones Sustainability Europe Index)銘柄に選ばれました。当行のサステイナリティクス(Sustainalytics)のスコアは30.0(「高」リスク)から27.4(「中」リスク)に改善しました。

管理体制の強化継続

当行は、管理体制の強化を推進するために、新しいプロセスおよびシステムを実施し、これらを引き続き組み込んでおり、2019年以降、管理部門に約30億ユーロ投資しています。この勢いを止めることなく、当行は、戦略の次の段階においても、管理部門への投資に引き続き取り組んでいくことを目指しています。これには、非財務リスク、気候変動リスクおよびサイバーリスクといった進化する各分野のリスク・フレームワークの拡大、予防的コントロールの開発の継続、機械学習や人工知能(AI)といったテクノロジーを使用可能とするための投資が含まれます。

人々に対するおよび社会的責任

パンデミック下での従業員のサポート:当行の従業員は、COVID-19により、2021年においても引き続き仕事環境や個人生活において多くの混乱に直面しました。最大73,000人の従業員がリモート勤務を強いられています。当行は、従業員のフィジカル面とメンタル面の両方のウェルビーイング(幸福)をサポートするため、従業員本人、その家族および外部契約者を対象に約14,500回分のワクチンを提供する対策を取りました。

「メンタルヘルス・ファーストエイド(Mental Health First Aiders)」として機能する従業員ボランティアの数は、2021年に約450人に増えました。

新しい働き方への適応:コロナ禍後の環境に備えるため、また、2021年に実施した「今後の働き方(2021 Future of Work)」に関する従業員調査で得た従業員からのフィードバックを受けて、当行はリモート勤務とオフィス勤務、それぞれの利点を組み合わせたハイブリッド方式を実施しています。

従業員のコミットメントの獲得:当行が2021年に実施した「従業員調査(2021 People Survey)」において、従業員コミットメント指数は2020年の69%から増えて71%に達し、2012年以来の最高水準となりました。有効化指数は73%となり、2020年からはやや減少となったものの、ここ10年にわたる高い水準の近くで維持されました。

人材への投資:当行は、2021年において、COVID-19の制約がある中でも、人材への投資を継続しました。当行は、2020年の1,287人から増加し、1,420人の新卒者および職業訓練生を採用し、従業員向け研修に約3,800万ユーロを投資しました。

多様性の支持:156の異なる国籍を有する従業員が世界58カ国で業務を行う当行において、多様性は核心であるといえます。性別の多様性に対する当行のコミットメントは、2021年にあったいくつかの進展に反映されています。

  • 取締役会の20%、監査役会の30%、および全従業員の47%が女性
  • 「ディレクター短期育成プログラム(Director Acceleration Program)」の参加者のうち47%および「ヴァイス・プレジデント短期育成プログラム(Vice President Acceleration Program)」の参加者のうち45%が女性
  • 2025年までに、マネージング・ディレクター、ディレクターおよびヴァイス・プレジデント職に占める女性比率を35%以上に引き上げることを目指す当行のコミットメント、「2025年までに35%(35 by 25)」を開始

レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィアおよびインターセックス(LGBTQI)のインクルージョン:当行はインクルーシブな労働環境を作ることにコミットしており、2021年には、当行の取組みについて、この分野で名誉ある2つの賞に選出されました(ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団の「Best Places to Work for LGBTQ Equality(LGBTQの平等において最高の職場)」およびYahoo!ファイナンスの「OUTstanding LGBT+ Role Model Lists」)。

困難な時期において地域社会支援を継続

2021年、当行および当行従業員と地域社会との関わりがCOVID-19によって寸断されることはありませんでした。2021年における当行の取組みは以下のとおりです。

  • 「#ノットアローン」キャンペーンを立ち上げ、メンタルヘルス・プロジェクトのために100万ユーロ超を提供し、提携先の慈善事業を支援して123,000人を超える子供や若者を援助。
  • インドにおけるCOVID-19救援プロジェクトに対し、酸素濃縮器や病院用ベッドの提供を含む200万ユーロを寄付し、従業員からも追加で約200,000ユーロを寄付。
  • 学校で金融リテラシー教育を行う従業員を支援。ドイツでは600人を超える従業員が登録しており、2022年末までに登録人数は700人に達する見込み。
  • ドイツおよびベネルクス三国における洪水被災者に対する災害救援金として、当行、ドイツ銀行基金および従業員から約100万ユーロを調達。

企業の社会的責任: 2021年において当行および当行の基金は、企業の社会的責任(CSR)のための取組みおよびアート・カルチャー・スポーツ・プロジェクトに5,210万ユーロを投資しました。これらの投資先には、当行の若者就業支援プログラム「ボーン・トゥ・ビー」、および社会ベンチャーやクリエイティブ・ベンチャーを支援する「メイド・フォー・グッド」が含まれています。2021年中、世界中の320万人を超える人々に対してこれらのプログラムによる支援が提供されました。

従業員のボランティア活動:当行のボランティア・プログラムに参加した従業員数は、2020年の12,885人から増加して15,487人、率にして総従業員数の18%となり、彼らがボランティアに費やした時間は133,000時間を超えました。慈善活動に対する従業員からの直接の寄付、および当行自身からの同額の寄付により、2021年における慈善活動への寄付は740万ユーロとなりました。

その他の財務報告および規制上の報告

当行は本日、2021年の第三の柱の報告書(2021 Pillar 3 Report)およびドイツ会計規則(HGB)に基づく当行の年次財務諸表を公表しました。さらに、Form 20-Fに掲載される年次報告書も、本日、公表されます。

1本項目およびその他のGAAP以外の財務的測定尺度の詳細については、2021年第4四半期補足財務データ(英文)の17頁から25頁の「GAAP以外の財務的測定尺度の使用について」をご参照ください。
22021年から2025年に関する累積株主還元予定額(2026年に支払われる2025年に関する分配を含みます。)は、戦略目標およびドイツ会社法の要件を満たし、かつ年次株主総会の承認および規制当局の承認を受ける必要があります。


監査済み最終業績の概要

単位:十億ユーロ(特に表示がない限り) 2020年 2021年 増減
純収益 24.0 25.4 6%
特定項目を除く純収益 24.0 25.3 6%
信用損失引当金繰入額 1.8 0.5 (71)%
利息以外の費用合計 21.2 21.5 1%
改革費用を除く調整済コスト 19.9* 19.6 (2)%
税引前利益 1.0 3.4 N/M
税引前利益(調整済) 2.2 4.8 121%
利益 0.6 2.5 N/M
CET 1比率(単位:%) 13.6% 13.2 (0.4)ppt
レバレッジ比率(完全適用ベース)(単位:%) 4.7% 4.9% 0.2ppt
レバレッジ・エクスポージャー 1,078 1,125 4%
リスク・ウェイテッド・アセット 329 352 7%
従業員(常勤相当、年度末現在) 84,659 82,969 (2)%

*=プライム・ファイナンスに関して返還される可能性のある費用を除いた場合: 前年から1%減少して193億ユーロ


入手方法

報告書はすべて、https://www.db.com/ir/en/annual-reports.htm.からダウンロードすることができます。本日、米証券取引委員会に提出されるForm 20-Fに掲載される年次報告書は、提出後、当行のウェブサイト(https://www.db.com/ir/en/sec-filings-for-financial-results.htm.)より入手可能です(英語版のみ)。


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